中医営膳会通信(No.6~10)
急に暖かくなったり、寒くなったり今年は変な冬ですね。くれぐれも風邪などひかないようご自愛くださいませ。
さて、薬膳の実践に焦点を当てた当研究会の新たな講座として、調理実習付の「応用薬膳講座」を開講し、去る1月30日に第1回を開催いたしました。
今回はその報告をさせていただきます。
初回の今回は、湯島にある「アカデミー湯島」の調理室を会場に8名の方にご参加いただきました。テーマは、「薬膳で体質を考えよう」。
前半の1時間半は、梁ペイ先生による同テーマに即した講義です。今回の内容は、中国の国家中医薬管理局が3年間かけて構築した 「中医学における体質分類と判定の基準」に基づいた基本体質の特徴についてのお話。自分や家族の方の体質をしっかりと把握し、その体質に合った、あるいは改善するような食材を選んで積極的に食事に摂り入れることで「未病を治す」って、とても大切なことですよね。
そして、後半は、吉野先生による調理実習タイム。
上述の体質基準では体質を9種類に分類していますが、その中から特に季節に合わせると関心の高い3種類、「陽虚体質」、「痰湿体質」、「瘀血体質」に対するレシピにトライしました。
料理は、吉野先生による考案で上述の順に、「海老にら団子チキンスープ仕立て」、「緑豆ぜんざいはと麦団子入り」、「豚レバーのくわい炒め」でした。
先生の指示に従って参加者の方々が分担しながら調理を進めていくのですが、皆さんの料理の腕前もてきぱきと素晴らしく、あっと言う間に完成しちゃいました。
調理実習後は、両先生とともに試食の時間。試食しながら改めて今回の食材や、体質に関する質問が相次ぎ、和気あいあいと楽しみながら3時間の講座が修了しました。
応用薬膳講座は、今後も毎月1回3時間、12月まで12回に渡って開講する予定です。毎回完結したテーマなので、1回だけの受講もできますし、すぐにご自宅で気軽に再現できる実践的な内容の濃いプログラムになっています。
次回は、2月27日(水)。テーマは「薬膳を『年代別』に考えよう」の予定です。
みなさんのご参加を心よりお待ちいたしております。
それでは、また。 (受講者の方々からのご感想はこちら)
中医営養・薬膳学研究会
企画・運営担当
(2013.02.04)
中医営膳会企画・運営担当の巽です。
いよいよ本年も残すところ後少しになりましたね。皆さんにとってどんな一年でしたでしょうか?仕事も一段落し、残るは大掃除。。。
このたび、2012年イベント第3弾として12月15日(土)に「薬膳茶の試作体験会」を開催いたしました。当日は小雨が降る肌寒いあいにくの天気にもかかわらず、遠方からも含めた6名の方のご参加による、少数精鋭で内容の濃い会となりました。今回はその模様をご報告させていただきます。
今回も、最初に梁ペイ先生からミニ講義として「薬膳茶配合の基礎」、「薬膳茶材の解説」等について1時間ほどお話がありました。そして、今回は「基本体質チェックリスト」をご用意し、ミニ講義のあと、同リストを参考にご自分の基本体質を各々確認していただきました。
講義の後は、オリジナル茶作成タイム。薬膳茶には、薬用効果を持つ材料をお茶葉に混ぜるパターンもありますが、前回同様に茶葉なしの純粋パターンで挑戦。20種類の材料を用意いたしましたが、今回は寒い季節に合わせて、呉茱萸、肉蓯蓉、杜仲といったすごく体が温まる茶材を多く取り入れました。前述の体質チェック内容に基づいて茶材を選びつつ、今回は人数が少なかったこともあり、茶材のブレンド具合について一人ひとり先生のアドバイスを受け、本格的なオリジナル薬茶配合にトライしていただけました。
何種類かの薬茶を試作していただいた後は、前回できなかった、皆さんによる薬茶の発表タイム。皆さんのオリジナル・ブレンドを聞いているとその配合にも説得力があるとともに(あたりまえか!)味もよさそうな感じでした。
あっという間の3時間でしたが、ご好評の中、無事閉会させていただきました。最後にアンケート記入によるご感想もいただきましたが、皆さんご満足いただけたようで企画・運営担当としてちょっとホッといたしました。
当研究会では、今後もこうしたイベントを開催する予定です。皆様の次回のご参加をお待ちしておりますとともに、こういうイベントだったら是非参加したいといったご意見も頂戴できれば幸いです。
来年もよろしくお願い申し上げます。それでは、良いお年を!
(参加者の方々からのご感想はこちら)
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中医営養・薬膳学研究会
企画・運営担当
(2012.12.23)
本会「実践コース」の第一期を受講した堀内です。
2012年3月に本会の「薬膳講師養成講座」を修了し、薬膳や中医学とより深く触れ合う内容を勉強したいと思い、引き続き「実践コース」を受講しました。
養成講座に比べると、予想以上に課題の難易度が上がり、毎回の課題作成にプレゼンテーションと多少プレッシャーもありましたが、とても興味深く学ぶことができましたので、その様子を簡単にご紹介させていただきます。
この講座の一番の特徴は参加型で担当制であるという点です。
各受講生がそれぞれ一つの相談例(梁先生が実際に経験した例を再現した例題)が与えられ、半年間にわたり「薬膳アドバイザー」になりきって、相談者の証候の変化や気候の変化に合わせて方剤・生薬・薬膳レシピを調整しながら提案していく過程を経験します。
毎回提案するアドバイスによって相談者の症状や状態が変化しますので、その都度、また新しいアドバイスをしていくというのが課題となります。一つの相談例に対して継続的に関与していくのでまさにコース名の通り、実践的な内容となっています。
私の担当の課題は、16歳の女子高生の相談例でした。
いつも疲れている。風邪ひきやすく、動悸、眩暈、のどに何か詰まるような感じがする。
一年半の間に生理は一回来ただけ。
特に最近は、自分の将来を心配で眠れない。食欲が低下し、時々胃もたれがし、便秘気味。
以上のように、先生から与えられた情報をもとに総合的に分析、判断していきます
梁先生は無邪気にこの16歳の女子高生になりきり、どんどん質問をしてきます。
この質問に対し、自分なりの考えをしっかりとまとめて適切なアドバイスをしていかなければなりません。
クラスメートは「不眠」、「リュウマチ」などの相談例を担当していましたが、毎回お互いの考え方やアドバイスを聞いて、「なるほど!」とか「そうかな?」などと様々な意見交換をすることで、大変よい刺激が得られ、まさに「真の」実践の勉強をすることができ、課題が難しい分だけ大きな達成感が得られました。
特に、薬膳のみならず中医学全般をより専門的に掘り下げたい方にとっては他に得がたい貴重な講座になると思います、実践力を磨きたい本格派志向な方にはぜひ、実践コースを受講されることをお勧めします。
私は獣医師として、現代のペットが抱える問題を薬膳などを通して少しでもサポートできないかと考えています。現在は日本獣医中医薬学院の薬膳講師としても活動していますが、本会の養成講座で出会えた仲間とのご縁で、新聞などの
メディアに取り上げて頂く機会
にも恵まれました。これはまさに養成講座、実践講座に参加していたからこその貴重なご縁だと思います。
このような機会を与えてくださった梁先生に感謝の気持ちでいっぱいです。
個人的には受講期間が自らの妊娠・出産と重なり、産後の不安も多少ありましたが、先生から頂いた産前産後の中医学的なアドバイスにより無事に修了することができました。
梁先生は常日頃、「実践」には終わりがないとおっしゃいます。
私も、育児が少し落ち着いたら、また「実践コース」を受けたいと思っています。
梁先生,ともに受講した仲間の皆さん、半年間ありがとうございました。
堀内 香(獣医師、国際中医薬膳師、日本獣医中医薬学院講師)
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中医営養・薬膳学研究会
事務局
(2012.11.19)
中医営膳会企画・運営担当の巽です。
去る10月27日(土)、当研究会が主催する「薬膳講師養成講座」の私を含む第2期生が半年間の講習を終え、無事修了式を迎えました。その様子をご紹介いたします。
本講座には第1期生同様、様々なバックグラウンドの方々(管理栄養士、看護師、フード・コーディネーター、料理教室主催の先生、食養生研究に熱心な会社員等々)が集まり、本年5月から半年にわたって一緒に学んできました。しかも、本講座開始時間が土曜日の午前9時半にもかかわらず、東京在住者のみならず滋賀県、愛知県、静岡県、群馬県等からの参加者も含め、全員がほとんど皆勤賞で勉強に励むというとても熱心な受講生が集まりました。(東京在住の私は、他の受講者の熱心さに心から感動しました。)
当講座の特徴は、これまで科目別(基礎理論→診断学→中薬学→方剤学→内科学)に学習してきた知識を臓腑別という異なる観点からまとめ、弁証を中心に学んでいくという実践的な学習アプローチです。各臓腑ごとに、基礎理論の復習から病理、弁証、施膳、用薬、用方とまとめていくことで、これまで学んだことが随分と頭の中で整理できたと感じました。また、少数精鋭ということで、皆が梁ペイ先生にかなり突っ込んだ質問をし、議論できたこともとても有意義な時間だったと思います。
そして、当講座の最終課題としてのミニ講義トレーニングでは、各受講生がそれぞれ自分で講義テーマを決め、レジメを作成して講義を行いました。講義テーマはそれぞれ違いましたが半年間の講座を非常に熱心に学んだ成果が大いに発揮された内容で、とても素晴らしかったです。受講生のみなさん、半年間お疲れ様でした。そして、研究成果を共有させていただきありがとうございました。
当研究会では、今後も様々な業種から集まった方々のネットワークを活かし、より充実した講座、イベント等を実施していきたいと思っております。今後ともご支援のほどよろしくお願いいたします。
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中医営養・薬膳学研究会
企画・運営担当
(2012.11.02)
中医営膳会企画・運営担当の巽です。
東京では、ようやく残暑も峠を越えたようですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回は、どなたでも「分かる」、「作れる」、「飲める」をポイントに、さんざし、なつめ、陳皮等14種類の材料を用意して参加者の方々に実際に薬膳茶作りに挑戦していただきました。まず、最初に梁ペイ先生からミニ講義として「薬膳茶配合の基礎」、「薬膳茶の役割」、「薬膳茶材の解説」、等について30分ほどの講義がありました。
ある薬膳効果を得るために一つの「施膳方針」の下で、同じ食材での料理を長期間続けるのって、結構たいへんなことですよね。でも、「飲類」としての「煎じないお茶」の形であれば、同じ材料でも、ティーバッグとお湯さえあれば手軽に作れて長く飲み続けることができます。講義を通して「薬膳茶」は、薬膳本来の目的を実践しやすい方法なのだなということを再確認できました。
講義の後は、参加者の皆さんによるオリジナル茶作成タイム。薬膳茶には、薬用効果を持つ材料を茶葉に混ぜるパターンもありますが、今回は茶葉なしの純粋パターンで挑戦。それぞれの材料の味や香り味わえるのも実習ならではの楽しみでした。
参加者の中には中国茶の専門家(!)がいらっしゃったり、薬膳茶作りが全く初めての方もいらっしゃったり、皆さんさまざまな観点・思いで14種類の材料を計量器で量りながらそれぞれ独自の組み合わせを楽しんで(悩んで?)おられました。また、薬膳茶の実例として梁先生が用意した「菊花・クコ子」を煎じたお茶を試飲していただき、後半にはこのお茶にさらに「陳皮」を加えて煎じ直して、皆さんに味の変化を体験していただきました。
私はハーブの勉強もしていますが、日本ほど医療保険制度が進んでいないイギリス、ドイツ等の欧州諸国で、メディカル・ハーブ・ティーによるハーバル・セラピーが広く普及しているのも、病院に行って薬を処方してもらうより安くて、お手軽かつ薬用効果があるからなんでしょうね。私も子供の頃おなかが痛くなると、ばあちゃんが「げんのしょうこ」茶を作ってくれました(全然おいしくありませんでしたが)。今思えば、あれもれっきとした日本の薬膳茶ですね。
ちなみに私のブレンドは、「さんざし・くこ子・なつめ・当帰」で「テーマ:巡りをよくする」でした。先生の評価はまだ聞いていませんが。。。
主催者側のもくろみでは、皆さんの作られた薬膳茶の仕上がり具合を発表していただき、先生の講評を聞く時間を予定していたのですが、皆さんお茶の作成や質問にあまりに熱心で、時間が足りなくなってしまいました。次回同様のイベントを実施する際にはイベント時間をもっと長くとるべきだと、企画・運営担当として反省すること頻りです。
イベントの最後は,梁先生が去る8月に参加された、香港で開催された国際会議「世界中医薬学会聯合会2012年薬膳食療学術大会」の様子や中国及び諸外国での中医営養・薬膳学の最新動向の報告があり、ご好評の中、無事閉会することができました。
当研究会では、今後もこうした実践的で体験型のイベントを開催していく予定です。皆様の次回のご参加をお待ちするとともに、こういうイベントだったら是非参加したいといったご意見・ご要望も頂戴できれば幸いです。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
(参加者の方々からのご感想はこちら)
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中医営養・薬膳学研究会
企画・運営担当
(2012.09.24)