中医営膳会通信 (No.36~40)
皆さまこんにちは、中医営膳会の若槻です。
世界中聯 薬膳食療研究専業委員会による薬膳の国際会議が、 中国・西安にて、2017年8月5日より4日間の日程で行われました。
世界中医薬学会聯合会(世界中聯)は、世界各国の中医薬団体間の協力、学術交流を進めることで、中医薬業界のレベルを高め、発展させ、人類の健康に大きく貢献することを目的に2003年に設立されました。現在67の国と地域の約250の団体会員が加盟しています。薬膳食療研究専業委員会は、世界中聯の下に109ある分科会の一つで、2008年に設立され、中国国内はもちろん、日韓や東南アジアを中心に十数か国から団体会員が加盟しています。薬膳・養生の領域では世界で最も権威のある学術団体で、本会も団体会員として加盟しています。
今年の西安会議には各国から、約500人が集まったそうです。本会からも梁ペイ代表とスタッフら5名が参加しました。
今回は4年に一度の役員改選の年でもあり、本会からは梁ペイ代表が常務理事に再任されました。また、本会の薬膳講師養成講座の修了生の皆様には、本会からの推薦で個人会員としてご入会いただけることになり、31名が入会されました。ご入会いただけますと、薬膳に関する最新情報の入手や、本会を通じて会議への参加、論文発表などもしていただけますので、ご興味おありの方はぜひご検討くださいね。
研究討論会の主要テーマは、その年により様々です。本年は世界中聯に、妊産婦と赤ちゃんのための保健学術研討会が発足したこともあり、子どもによくみられる症状、未病、亜健康に対する予防、食療や、常用食薬の成分、作用機序の研究などが多く見られました。
討論会で発表されなかった論文も、「理論研究」「臨床研究」「文献研究」などに分類され、論文集として発行されます。
中医学と西洋医学のそれぞれの長所をうまく使おうとしているところや、産業界との連携が広く行われているところは、東洋医学がしっかり根付いている中国ならではのことだと、今回もうらやましく思いました。日本での中医薬、営養薬膳の地位も、大学レベル、国家レベルで基礎のしっかりしたものとして、もっともっと広まってほしいと感じました。
さて、研討会はもちろん最大の目的ですが、食事と観光も楽しみのひとつです。
世界中聯の国際会議は、毎年ちがう都市で開催されるため、各開催地の食文化、風土、歴史に触れることができます。今回は、日本とも昔から関係の深い大西安での開催で、城壁や兵馬俑、空海が修行したといわれるお寺などにも行くことができました。
食べ物で特に印象深いのは棗でした。棗の入った甘い中華ちまきや、カボチャなどとの炊き合わせ、朝食バイキングのお粥にも棗が浮いていました。市場には、普通サイズから、こぶしほどの大棗まで山積みです。他にもたくさんの西安料理を堪能できましたが、中華風ピタパンのようなものをちぎって、牛肉や羊肉ベースのスープでいただく牛羊肉泡馍は絶品でした。
頭もおなかもとてもいい刺激を受け、有意義で充実した貴重な時間を過ごせました。
会議で得た知識のよいところを、誠実に伝えていければと思います。
最後ですが、会期中の九寨溝での地震のため被災された方々のお見舞いを申し上げます。
中医営養・薬膳学研究会
(2017.09.03)
2016年度春期に薬膳茶アドバイザー資格講座全12回を修了され、このたび、めでたく「中医営膳会認定 薬膳茶アドバイザー」の資格を取得された 堤 ゆ佳り さんにご執筆いただいた、受講のご感想をご紹介します。 |
皆さまこんにちは
2016年度春期薬膳茶アドバイザー資格講座を受講した 堤 ゆ佳り です。
国際中医薬膳師の試験に合格したものの、「勉強はしたけれど…」という状態の中、こちらの薬膳茶アドバイザー資格講座をこちらのホームページから見つけました。
先生が具体的な事例を挙げて説明をしてくださると、「ああ、そういうい意味だったのか!」とか「こういう時にこの考え方を使うのか!」など、ただ文字として知っているだけの知識が、使える知識に変わっていく時間とでも言いましょうか。「薬膳は毎日続けるのは大変だけれど、薬膳茶ならば抵抗なく続けられる」と先生がおっしゃっていたのも印象的です。
気さくなお人柄の梁先生が、ほめて励ましてくださるのも大変励みになりましたし、質問も臆せずすることができました。
ただ、受講にあたっては中医学の基礎程度の知識は必要です。(会がアナウンスしている通りです。)
ベースがあって初めて自分の身になる講座ですので、入門編としては厳しいと思います。
薬膳茶の初級講座開講の予定があるとのことでしたので、薬膳茶に関心がある人たちに門戸が広がりそうで楽しみですね。
私自身はまだまだこれからですが、自身の生活や仕事に生かしていけるよう、努力していきたいと思っております。
半年間ありがとうございました。
中医営養・薬膳学研究会
(2016.11.26)
皆様こんにちは
薬膳講師養成講座第七期生の奥田です。
私は北京中医薬大学日本校の薬膳科、中医中薬学科を経て中医営膳会主催の薬膳実践コースに入り、そして薬膳講師養成講座という逆の順序で受講させていただきました。
(講座概要はこちら)
中医大で計4年間勉強し、今さら講師養成講座を受けるよりも、もっと実践的なことを学びたく、実践コースで半年間勉強したのですが、自分のあまりにもの不出来さに基礎からやり直す必要を感じ、養成講座を受講することにしました。
養成講座の内容は臓腑の基本的な復習から始まり、臓腑の生理機能、他臓腑との関係へととてもわかりやすくまとめてあり、私の中で曖昧だった部分、忘れていた部分がとてもクリアになりました。
そして先生が教えてくださるプラスアルファの知識や実践的な役立つ情報を沢山書き込んだテキストは、薬膳の勉強を続けていく私にとって何よりも大切なバイブルとなりました。
今後も何度も見直し、活用していくつもりです。
受講生にとってメインイベントであるミニ講義発表、これも本当に貴重な経験となりました。
自ら発表テーマを決め、資料の作成、講義に至るまでの行程には沢山の時間を費やしましたが、自分のわかっていない部分や理解の弱い部分を再認識できるよい時間でした。
またクラスメートの様々なテーマ設定、資料の作成方法、講義の仕方、自分では思いつかないようなことばかりで、本当に勉強になりました。
講義にスカイプを取り入れてくださっていたので、何かと東京を離れることが多い私も授業を欠席することなく、全部参加することができました。
とてもありがたかったです。
和気あいあいとした楽しいクラスでしたので、コースの修了はさみしくもあるのですが、今後も様々なところで勉強したり、お互いに刺激ができるようなよい関係を続けていければなと思っております。
先生、クラスの皆様、半年間本当にありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。
中医営養・薬膳学研究会
(2016.11.26)
皆さん、こんにちは、中医営膳会「薬膳講師養成講座」第三期生の近藤です。
中医営膳会シリーズ講座、「明快に食べ、快適に生きる~食の本質を探る(全3回)」の報告をいたします。
(講座概要はこちら)
今回は贅沢にも隔週で3回の講義を拝聴することができました。
李玉棟先生の問いかけに、頭をフル回転させながら、現代医学と中医学の古典とを往復していたように思います。
現代では研究がすすみ、ある特定の栄養素の効果が謳われ商品化されています。“1個のオレンジやレモンからとるビタミンCの何倍の含有量!!”の宣伝文句になんとなく、「いっぱい入っているほうが体によさそう~」など手に取るシーンはみなさん思い当たることと思います。“有用の用と無用の用”のお話があり、建設的に“有用の用”だけを抽出して効果的に使ったらどうだろうか、という欲に近い願望を叶えることができる技術がある現代ならではの動機から行われたことが、よかれ、に結論づかない矛盾があちこちで起きているそうです。
陰陽魚太極図のように体の果てしない宇宙の存在に目向ける、自分の体が何を求めているかを知る、そうすることでおのずと導き出される答えがあるように感じました。
ということは、安直にスーパーフードブームに踊らされている場合ではないですね。
整体観念と弁証論治を駆使して全体を見極めること。そこからすべての現代の病がみつかるように思えます。人も自然の一部です。初心に立ち戻ること、それをいつも心に留めようと思います。
みなさんも中医学営繕会のシリーズ講座に是非ご参加ください。
中医営養・薬膳学研究会
(2016.07.17)
薬膳茶講座(全12回)を修了して、薬膳茶アドバイザの資格試験にも 合格させていただきましたので、講座での経験と資格試験についてレポートいたします。 (講座概要はこちら)
薬膳茶講座では、まず、第1回の講義で「中国茶の基礎知識」を学びます。
この回は、中国政府公認「茶藝師」で同「高級評茶委員」の資格をお持ちの池田 泉先生が ご担当で、緑茶・青茶等の6大茶類や再加工茶の講義とともに、実際に先生が茶器を使い煎れて 下さったお茶をいただきます。
紅茶のような味のお茶やすっきりと飲みやすいお茶もあり、 改めて中国茶の奥深さを体感できました。
毎回の講義の中では、四季ごとのテーマに沿った薬膳茶の内容もありました。 気候により起こりやすい生理・病理変化や、それに対する施膳方針など、 とても勉強になります。
講義だけではなく、各自で茶材を組み合わせて実際に薬膳茶を作る実習がありるのも
薬膳茶講座の魅力です。
基本的には受講者全員が施膳方針に沿ってお茶を作りますが、
茶材の組み合わせや味の好みによりオリジナルの薬膳茶ができる楽しみがあります。
先生が茶材や各分量について丁寧にご指導いただけるので安心して実習できます。
作った薬膳茶は実際に飲むことで実感でき知識が深まります。
先生の指導でより良いお茶ができあがると、とても嬉しくなります。
夏の薬膳茶を試作した際には、疏散風熱の「薄荷」を加えた方が良いと指導いただき、
清熱作用が高まり飲みやすい薬膳茶ができました。
体質・美肌・年齢別等に適した薬膳茶の講義もありました。
どれもすぐに実践できる内容でしたので、毎回とても充実していました。 普段の生活でも健康維持に役立てることができ、薬膳茶の可能性を本当に感じます。
最後に、薬膳茶アドバイザの資格試験ですが、薬膳茶講座の各回の講義と、
試験事前勉強会の内容をしっかり理解していれば必ず合格できると思います。
皆さんも、薬膳茶アドバイザを目指して勉強を始めてみてはいかがですか?
中医営養・薬膳学研究会
(2015.04.26)