秋が深まるというより、冬の気配も感じる季節になりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
お鍋が大好きな私は、おいしいお鍋につられて、ついつい飲みすぎないよう気を付けねばと一応思ってみる今日この頃です。
さて、10月28日(月)に第10回調理実習付応用薬膳講座を開催いたしましたので、今回はその報告をさせていただきます。
今回のテーマは「薬膳で妊娠しやすい体質を作ろう」。
いつも通り、前半の1時間半は、梁ペイ先生による同テーマに即した講義です。近年、女性の社会進出による晩婚・晩育傾向が年々増加するにつれて、「不妊症」に悩まされる家庭が 持続的に増えているという統計が明らかになっているそうです。
社会現象として、専門家だけではなく、多くの方々が関心を持つようになってきました。
不妊治療として日本では、西洋医学的アプローチをとられる方々が主流と思われますが、 中医学の観点からはどう考えるのでしょうか。
中医学では不妊の原因は、男女とも腎の機能と密接な関係があるとしています。妊娠しやすい体づくりにおいて「補腎」が重要なキーワードとなります。
そして、各人の体質(腎虚型、肝鬱型、痰湿型など)に合わせてどういう点に注意し、 その治療として用いるべき中薬、食材は何かについて先生から詳しい講義がありました。
そして、後半の調理実習は、久々に梁ペイ先生による調理実習タイム。
上述のテーマ「薬膳で『妊娠しやすい体質』を作ろう」に対するレシピとして、
1.海老とチンゲン菜の炒め物
2.鶏手羽元と(高麗)人参の醤油煮
3.秋の鮭ごはん
4.棗の甘蒸し汁・生姜風味
の4種類にトライしました。
今回は本講義以来初めて「薬食結合法」を取り入れ、鶏手羽元の醤油煮は生の(高麗)人参1本を加えて煮込みます。
めちゃめちゃ元気になりそうだなと思って食べましたが、やっぱり体がぽかぽかと暖かくなってきて、試食会が終わるころには私も含めて参加者皆さんの掌が赤くなりました。皆さんすごく血行が良くなったというわけで、さすが生の人参パワーでした。
また、秋の鮭ごはんですが、焼いた鮭を炊き立てのご飯にまぜ込む、いたってシンプルな一品ですが、 これも食材の効能や組み合わせ次第で「薬膳料理」なんですよね。普段から食べている、家族中で好きなシンプルメニューですが、我が家では、普段から薬膳しているわけです。こういうアプローチってとても面白いと思いました。いや~、日本食って素晴らしいですね!
次回は、11月22日(金)。冬に養生に備え、テーマは「薬膳を『季節』で考えよう〜冬)」の予定です。
上述のとおり、応用薬膳講座は施膳を中心に据え、レシピを考え、調理し、試食する、実用性の高い体験型の講座となっています。毎回完結したテーマなので1回だけの受講でもすぐにご自宅で気軽に再現できる実践的なプログラムになっています。
みなさんのご参加を心よりお待ちいたしております。
それでは、また。
中医営養・薬膳学研究会
企画・運営担当
(2013.11.06)