中医営膳会の理念
中医営膳会のキャッチフレーズに掲げ、本会のロゴマークに添えたリボンにも記している本会創立以来の理念は次のとおりです。
私たち中医営膳会は、
正しい知識を正確かつ誠実に伝える
ことにより、
理論と実践を兼ね備えた薬膳
の普及を目指します。
本会梁ペイ代表は、中国に生まれ育ち、国立北京中医大学(現 北京中医薬大学)で学んだ後、中医史上初めて学科として設立された同大学「中医営養学教育研究室」の設立に講師として参加しました。代表の目指すところは、この言葉に凝縮されています。
中医学は、四千年とも五千年とも云われる長い歴史の中で、陰陽五行思想などの中国哲学を柱に据え、先人の知見や技術を引き継ぎ、体系化し、発展させてきた経験科学の集大成です。
「特定の処方に名前を付ける」といういかにも東洋的な慣習が、一定の処方を固定化し、長い歴史の中で、弟子たちが延々と同一条件下での治療体験を繰り返すという、膨大な治験の蓄積を生みました。その結果、ある患者には有効な処方がなぜ他の患者には無効・有害なのか、症例Aと症例Bでは何が異なるのか、ある薬食材はなぜ何に効くのかといった比較検討が積み重ねられ、その知見が理論として体系的に整理されてきたのです。
現代科学の発展によって近年ようやく解明された天然由来物質の化学的・栄養学的な成分や効能の多くが、中医学独自の体系の中では何百年・何千年もの昔から性味・帰経などとして知られ、活かされてきたのです。
一方、産業革命から始まった近代工業化は、大きな利益をもたらすとともに薬害や公害といった弊害をも引き起こしました。その結果、化学合成されたものだから有害、漢方は天然由来物質・成分だから安全・安心といった、極端な誤解も生じています。
天然由来物質・成分であるからといって、無害であるとはいえません。薬効絶大な良薬といえども万人に常に有益であるとは限らないのです。
プロとして薬膳を教え、提供する立場に立つ方々には、中医学、中医営養学、中医薬膳学の理論を着実に身に着け、実践していってもらいたい。そのために、正しい知識を伝える場を提供すること、それが我々中医営膳会の使命だと考える次第です。