関西でも要望の声が多かった営膳会の講座が、風薫る五月の京都で開講しました。受講された皆さん、夏を思わせるような日差しの中のご参加、ありがとうございました。第1回は5月26日(日)。お昼過ぎからの講義で、前半は応用薬膳講座、後半は薬膳実践コースです。
応用薬膳講座の今回のテーマは「薬膳を『体質』で考えよう」。東京クラスの第1回と同じテーマです(東京クラスの報告はこちら)。
岐阜、大阪、京都などから13名の方にご参加いただけました。
応用薬膳講座は薬膳に関する資格をお持ちでない方でも、薬膳・食養生に関心をお持ちの方ならどなたでも受講していただけます。今回は初心者の方3名をはじめ、中級の方、当会の薬膳講師養成講座修了生まで幅広いレベルの方々にご参加いただけました。
応用薬膳講座とはいえ、梁先生の講義は本格派です。
今回の講義で取り上げられたのは、中国の国家中医薬管理局が、中華中医薬学会に 研究委託して開発・発表した「中医学における体質分類と判定の基準(2009年4月)」に示されいる9種類の「基本体質」です。
例えば「陰虚体質」などと名付けられた9種類の体質のそれぞれについて、体型、日常生活の傾向、心理面の傾向、発病しやすい病気などが示されています。そして梁先生から、体質ごとに、その体質に対する基本的な施膳方針と、適した食材/中薬を解説していただきました。
薬膳初心者の方には耳慣れない用語も多かったと思いますが、それぞれの体質に現れる特徴などに照らし合わせて、ご自身がどの体質に近いか、中医学で体質をどのように見ているのか、とても熱心に耳を傾けておられました。初心者の方向けに基本的な用語の解説もありましたので、薬膳を勉強されてきた方には学んだ内容の再確認もでき、よい復習になったのではないでしょうか。
東京とちがい京都クラスでは調理実習はありませんので、9つの「基本体質」の解説のあとはレシピ解説です。紹介されたレシピは写真の通り、「豚レバーのくわい炒め物」、「海老ニラ団子チキンスープ仕立て」、「緑豆ぜんざいはと麦団子入り」の3種類。これらのうち、これからの梅雨の季節にもぴったりの、痰湿の体質向けの緑豆ぜんざいが主に取り上げられました。
また、この施膳方針で体質改善するならというところで、上級者さんによる別メニューの提案など、ハイレベルな一面も見られました。それぞれに有意義な時間を過ごされ、また続けて受講したいというお声をたくさんいただきました。
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さて、後半の「薬膳実践コース」は前半とうってかわっての少数精鋭での授業です。
お休みの方がいらっしゃったので、今回の受講生は私を含めて3人です。
第1回目の今回は、主に、これから取り組む課題の進め方と、課題の分担です。診断学の内容に従って弁証の手順のおさらいをしました。弁証の判断材料などをまとめて、またひとつ掘り下げて知ることで理解が深まります。
日常的に使っていないと基本的なことも抜けていることが多くて、先生の質問に口ごもってしまう場面もしばしば…。
「方剤を考えるように、薬膳を考えられるようになってほしい」という先生の言葉が印象的でした。
私たち受講生は、これから半年間、擬似的に各々一人の相談者さんを担当し、症状の変化や施膳の効果などを見極めながら、 梁先生が演じる相談者さんのご相談にのることになります。
自信を持って実際の場面にも応用していけるように、はちまきをしめなおす、リラックスの中にも少し緊張感ただよう後半の講義でした。
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こんな雰囲気で始まった京都での講座、梁先生を始め、受講される皆さま、これから約1年、よろしくお願いいたします。
なお、応用薬膳講座は毎回完結したテーマなので1回だけの受講でもすぐにご自宅で気軽に再現できる実践的なプログラムになっています
次回は、6月16日(日)。テーマは「薬膳を季節で考えよう(夏)」の予定です。
ご興味を持たれた方はぜひ一度ご参加くださいね。
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中医営養・薬膳学研究会
企画・運営担当
(2013.06.08)